業種問わずお店を構えて商売をする際に、自分のお店やサービスをお客様に知っていただくために必ず必要となるのが「販促物・販促ツール」です。
販促物のカテゴリは非常に広く、お店に設置する看板からのぼり・ポスターやチラシ・お店のPOPやお客様にプレゼントするボールペンなども含まれます。
種類が多いことは選択肢を広げるという意味ではとても魅力的なことではありますが、効果的な使い方を理解できないまま使用していて、意外と損失につながっていたりもったいない使い方になってしまっている場合も多いため、販促物の導入時にはしっかりと細かい目的を立てた上で発注・実績管理をしていただく「販売促進プログラム」を理解していただけたらと思います。
販売促進プログラムとは?
販促物を上手に利用して利益を上げるために必要な計画を意味します。
販売促進プログラムが曖昧だったり、そもそも立てずに勢いだけでスタートしてしまうとただの無駄使い・無駄経費となってしまうため要注意。
間違えた判断をしてせっかくのチャンスを逃さないためにも、ぜひ覚えておきましょう。
販促物の種類を理解しよう
まず必要なのは「何のために必要なツールなのか?」を理解すること。
ゴルフに例えると、「ゴルフクラブ一式」はゴルフを知らない人から見ると「ゴルフをするための道具」の認識しかありませんが、ゴルフを理解している人から見たら
・ドライバーは飛距離を稼ぐためのクラブ
・PWはグリーンに乗せるためのクラブ
・パターはカップに入れるためのクラブ
など、それぞれに役割がありますし、自分にあったクラブを揃えている人は1本1本にもっと細かい役割を与えていることでしょう。
販促物も同様で「ツールごとにその店に必要な役割を与えて利用する」ことが必要です。
各ツールの一般的な使用方法は以下の通り
【店の認知度を上げる】
・店舗設置の看板
・店舗前ののぼり
【集客力を上げる】
・店舗近辺への置き看板
・店舗前ののぼり
・チラシ(新聞折込、ポスティング、駅前サンプリング等)
【購買に繋げる】
・POP
・ノベルティ
【リピートに繋げる】
・DM
もちろん、チラシや看板、POPなどに記載する内容によって目的を変えることは可能ですが、まずは基本的な用途は覚えておきましょうね。
さて。基本的な用途が理解できたところで、具体的な利用方法を考えていきましょう。
ゴルフスクールで失敗しない販促プログラムとは?
1.看板やのぼりで「ゴルフスクールが存在していること」を知ってもらいましょう
大前提として、「お店がここにあるよ!」という事実を知っていただくことが必要です。
HPやSNS、チラシなどでお店の存在を知っていても、営業している場所を知っていただかないことには話になりません。
「存在していること」を知ってもらうことが目的なため、内容はシンプルに「お店の名前」をメインに考えていきましょう。
お店の名前に「ゴルフ」という単語が入っていない場合は「ゴルフスクールであること」がわかるようなコメントやイラストなども一緒に記載しておくことが効果的です。
看板はお店の顔になるため、オシャレなデザインにしたいことは理解できますが「あのお店オシャレだけど何のお店かわからないよね」と思って素通りされる…なんてことがあってはいけません。
一度作ってしまうとデザインを変更するのはなかなか難しいツールのため、より念入りに考えて作成するようにしてください。
最近増えている「立て看板」も効果的です。
立て看板はお店の存在を知っていただくことはもちろんのこと「今の時間は営業しているんだな」とリアルタイムの営業時間の確認としても利用が可能なため、設置に問題がなければぜひ導入したいツールのひとつです。
大通りに面していないお店であれば尚のこと、人通りが多い場所に「〇〇ゴルフスクール営業中」「この先1分→」のような呼び込み目的でも相性が良いと言われています。
しかし、看板の掲示やのぼりの設置については屋外広告物法や道路法・道路交通法などで細かく規定されているため事前の確認が必要です。
のちのちトラブルにならないようしっかりと確認をしておきましょう。
2.集客用のツールを導入しましょう
立て看板はここでも有効です。
店舗に建てつける看板やのぼりでは、設置場所が高くて細かい文字を読むことが難しかったり、風でなびいて瞬間的に文字を読むことが難しいなど、細かい説明内容の記載が難しいのですが、立て看板は目線の高さや少し屈むと読むことができる場所に設置ができるため、呼び込みに使いやすいのが特徴です。
カフェでは黒板のように直接書き込めるタイプの立て看板を使い、オシャレなデザインにしていることが多いのですが、同じような作りにしてしまうと「ゴルフスクール」と認識されにくいことが予想されますし、少人数で毎日書き換えるのが難しいことが多いかと思いますので、「体験レッスン受付中!この角を曲がって徒歩50歩!」や、その時開催しているキャンペーンのチラシをそのまま看板に貼り付けるだけでも良いかと思います。
とにかく「お店に来てもらうこと」を目的とした内容を盛り込みましょう。
また、チラシの配布も効果的です。
「このチラシを見た方限定」といった内容のキャンペーンを記載することで、興味を持っていただくことができますし、チラシを持参するとお得なことがある内容であればチラシの効果測定も可能です。
キャンペーンについては、チラシを見た方・持参した方限定で体験レッスンがお得に受けられる!というような「まずは来店に繋げる内容」がおすすめです。
もちろん最終的な目的は「入会してもらうこと」ですから、最初から「このチラシを持参すると入会金無料!」とか「このチラシを持参すると2ヶ月間月謝無料!」と記載してしまうと「勧誘がすごそう…」とか「無料期間で辞めれば良いか」というようなノイズに繋がりやすくなってしまうため、まずは「来店するとお得なことがある」ような内容に留めておくことがベターです。
3.スクールの良さを知っていただくPOPを導入しましょう
次は来店した方に向けての販促ツールです。
商品を販売していないから、POPは必要ないのでは?と思う方も多いかと思いますが、ゴルフスクールでも重要な役割を担うためぜひ前向きに検討してみてください。
雑貨屋や家電量販店、薬局などで見かけるPOPを思いうかべていただくと、展示されている商品毎に特徴や価格が飾り付けられており、さらに手書きで「ハイスペック!」や「今なら20%オフ!」といったキャッチーな一言が記載されていますよね。
ゴルフスクールでは、細かな商品販売はありません。
それでは、どこにPOPをつけたら良いでしょうか?
ズバリ「掲示物に」です。
おそらく、店舗内にはコンペのお知らせやインストラクターの紹介、おすすめのゴルフ場のポスターなどが掲示されていることと思います。
近隣店舗からお願いされた飲食店のリーフレットや海外ボランティア募集のポスターなんかもあるかもしれません。
そうなると、店舗内の掲示物が雑然としすぎていて「たくさんのポスターが貼ってあるな〜」くらいの印象にしかなりません。
そこでPOPの出番です。
たくさんの掲示物の中でもそれぞれのお店で「これをアピールしたい!」と特に見てもらいたい掲示物はあるかと思います。
一番わかりやすいのはインストラクター紹介です。
インストラクターが魅力的なスクールの場合は、紹介写真の横に「元ツアープロ」「100切させる名人」「フィッティングもお任せ」などインストラクターの得意分野などをPOPにして表示させることで注目してもらえます。
「一緒にコースデビューを目指しましょう」「飛距離を伸ばしたい方はご相談ください」などインストラクターからのコメントでも構いません。
最初から文章での説明をじっくり読んでくれる人はなかなかいないと思いますので、まずはPOPで「見てもらう」ことが重要です。
コンペ募集のポスターなどには「残り1組」や「毎回すぐに満枠になります!」など申込みを煽るようなコメントでも良いですし、「桜(紅葉)が綺麗なコース」「お昼ご飯が美味しい!」等の開催場所の魅力を一言で伝えて興味を持ってもらうのも良いでしょう。
とにかく「目をひく」ことが目的です。
では、体験や施設見学に来た方に入会してもらうためのPOPはどうしたら良いでしょうか?
効果的なのは「料金表にPOPを貼ること」です。
ゴルフスクールでは料金プランをいくつか用意することが多いかと思いますが、多ければ多いほどお客さんは混乱してしまいます。
ただ、お店側としては「より良いプランを」と思ってのことです。
混乱されないような説明…と思っても話の中だけで理解していただくことは難しいことがおおいため、ここでPOPを活用しましょう!
使い方としては、料金表内に「初心者はまず週1回から」や「土日休みが多いなら絶対これ!」「1回の練習が一番安いプランはこちら」など背中を押してあげるコメントを入れるだけです。
説明の間にお客さんからヒアリングをしているつもりでも、お客さんは実は心の中で「でもな〜…これだと…」と口に出さずに悩んでいることも多いため、視覚的に説明できる準備をしておくと、入会案内もスムーズに進みます。
ある程度のコストがかかってもOK!ということであれば、ここで「プレゼント」を用意しても良いでしょう。
・ボールを1スリーブプレゼント
・入会金無料
・初月だけレッスン+1回
などが多いかと思います。ただ、プレゼントの用意は在庫の管理が大変だったりせっかく作ったのに好みに合わなかったり…の悩みに繋がることが多いので、勢いではなくしっかりとニーズの調査をしてからの導入をおすすめします。
4.リピートに繋げるためには
ゴルフスクールに関しては「入会」することで、一定期間の来店が見込めるため、積極的な施策を必要としない場合も多いのですが、回数券を販売したり都度払いの会員制度がある場合には必須の施策となります。
必ず導入して欲しいのは【DM】です。
紙媒体でなくても構いません。メールやLINEなどでも構いません。
とにかく「お客様との接点を切らないこと」が重要です。
とはいえ、毎日連絡するのはとても手間ですし、お客様からしても迷惑に感じてしまうことの方が多いため、週に1回〜月に1回程度、無理がない範囲で実施してください。
しかし必ず実践して欲しいのは「初回のDMは体験後(施設見学後・初回レッスン後)必ずその日の振り返り内容をその人だけに送る」ことです。
来店のお礼から始まって「今日はこんなことをして、こういう効果がありましたね。次回はここに気をつけて練習をしましょう。きっとこんな効果が期待できますよ!」というレッスン(練習)の復習と課題の提示、最後に「またのご来店(ご予約)お待ちしております」の締めの挨拶
これだけは必ず実施しましょう。
スクールのレッスンは人と人とのつながりが重要です。しっかりとお客様個人の上達を願ってサービスを提供していることをアピールしましょう。
最近増えていきている無人型の場合はどうするか?
計測器で使用したデータが確認できる「マイページのURL」を送信しましょう。使用しているサービスによって異なりますが、その日の練習データをクラウドに保存していることが多いため「今日の練習お疲れ様でした。練習内容は下記URLよりいつでも確認ができます。次回も頑張りましょう」といった内容でメールが送られるだけで、お店から離れた後でもお店のことを思い出していただけるため、必ず取り入れたい施策です。
まとめ
いかがでしたか?
「販促物」と一言に言ってもとても奥が深いことをご理解いただけたら幸いです。
大切なのは「目的」を間違えて「結果」を判断しないこと。
置き看板に「施設見学無料!お気軽にご来店ください」と書いてみたら、一日平均1人だった見学が一日3人に増えた!
でも入会はやっぱり一日1人のままだ…やっぱり置き看板、意味ない!
これは「目的」と「結果」の判断が間違えてしまっている例です。
・看板には「ご来店ください」と書いている
↓
・来店数が一日1人から3人増えた
これで看板の目的は【成功】ですよね。
看板を見て来店客が増えましたからね!
でも入会数は増えていない…ということは、入会率は下がっている…とネガティブになりますが、これは「看板が悪い」わけではありません。
「来店した方に入会したいと思ってもらえなかったこと」が原因です。
そのためには、今度は「入会したいと思ってもらうための施策」が必要なのです。
看板はあくまでも「来店してもらうためのツール」
「入会してもらうためのツール」は別で用意する
これが【販売促進プログラム】というわけです。
「コレを作ったから大丈夫!!」と思ってはNG。
知ってもらうためにコレをやろう。
来てもらうためにコレをやろう。
入会してもらうためにはコレをやろう。
また来てもらうためにはコレが必要だ。
そして「この中で今自社が一番必要なのはこれだ!」という判断も重要です。
今現在、足りていること・足りていないことの洗い出しからまずは始めて見てくださいね。