OKパットって、どのくらいの距離が適正か?MBA的価格設定から考えてみたら意外な関係が分かった!

OKパットって、どのくらいの距離が適正か?MBA的価格設定から考えてみたら意外な関係が分かった!

こんにちは

エグゼクティブMBAゴルファー吉川拓哉です。

経営者を中心とする社会人ゴルファーを対象に、MBAの追体験していただきながら皆さんのゴルフに役立つ情報を発信します。

OKパットって?

 ゴルフを始めた頃からみなさんがすぐに経験するのが、ゴルフ場内でのOKパットです。これは、“打たなくても次の1打で入るであろう距離”に対して、+1打でボールのホールアウト(ピックアップ)認める内々のルールです。

 競技では、マッチプレー(対戦相手同士がホールごとの勝敗を競い合う競技で 最終的に勝利したホール数の多い方が勝つゲーム形式。)で活用されるときがあります。

 マッチプレーでは 相手に対して 次のパットを OK するということが頻繁に起きます。そして、OK を出すことを 海外では、コンシード(concede)と言います。

ストロークプレー(通常のあなたが体験されているプレー)でも短いパットは OK にするなどの姿が良く見受けられますが、実は、正式なストロークプレーの競技ルールでは 、OK は認められません。

 ここでは、堅苦しいことは抜きにして、そのような正式ルールがあるという点だけ覚えておいてください。さて、OKパットで悩まれている人の声を聞いてみましょう。

OKパットって言って良いの?

 Aさん(ハンディキャップ30)が、先日はじめてのお客様とのゴルフで、こんなことを悩んでいました。『初めてラウンドするお客様なので十分に実力がわからないのです。

だから、始めの方のホールでお客様が40cm近くのパットを残された際に、OKを言うべきかどうか悩んだのです。悩んでいる間にお客様は、私の顔を見るなり“厳しいねぇ”と行ってきました。どうしたら良かったのでしょうか?』

 次にBさん(ハンディキャップ35)は、ある日、シングルプレーヤーとラウンドする機会に恵まれました。『前から上手い人とは廻りたかったので夢のようでした。

ショット、パットも素晴らしく、すべて短いパットも打ってホールアウトされていました。しかし、終わり際に“競技じゃないんだから最後まで打たせるの?”と言われて驚きました。どのようにすれば良かったのか未だにわかりません』

そのようなシチュエーションでは、どのように考えれば良いのでしょうか?それらをMBA的に考えてみましょう。

戦略的価格設定

企業だとモノ売りコト売りに限らず、ビジネスにおいてはすべてに価格設定が必要です。価格に影響を及ぼす要因にはさまざまなものがあります。

例えば、代表的な注意点は、①コスト、②カスタマー・バリュー、③競争環境です。

①コスト原価とも取れます。これ以上安くすると赤字になるという限界です。価格の下限と考えて良いでしょう。
②カスタマー・バリュー顧客が適正と認める金額です。価格の上限と考えて良いでしょう。
③競争環境企業なら大抵、競合先がいます。そこと競争するためにも、価格の下限と上限の間で価格設定の勝負をしなければなりません。

価格設定とOKパットの関係

この価格設定をOKパットの距離に当てはめると、ビジネスマン的に理解しやすいかもしれません。

コスト(価格の下限)≒あなたが絶対に入ると思っている距離

カスタマー・バリュー(価格の上限)≒勝負をしていない同伴競技者があなたに対して入ると思っている距離

競争環境≒マッチプレーなどで対戦相手がOK(コンシード)を出す距離

以上、すべてOKパットのことなのですが、絶対にこの距離には差異が生じます。距離の順は必ず以下になります。

コスト(短い)⇒競争環境(やや短い)⇒カスタマー・バリュー(長い)

 パットが得意な私の場合の具体的な距離

コスト(25cm)⇒競争環境(50cm)⇒カスタマー・バリュー(70cm)

 どうでしょうか?驚かれるかもしれませんが、ハンディキャップ0の私が、絶対に入ると思っているパットの距離が25cmなのです。それほど、怖いのです。

各人に対してのOKパットの設定手法

 以上のことから、同伴競技者に対しては、まず、1ホール目では、コストのイメージでOKパットを言ってあげてください。

そして、何ホールか続くと相手の実力がわかるのでカスタマー・バリューのイメージでOKパットを言ってあげてください。

OKパットを発するということは相手の実力を認めているという現れにもなるので失礼でもなんでもないです。

 お客様やプロにすべてのパットを打たせるということは、時には失礼に当たる場合があります。

価格設定の話に当てはめると、短いパットは価格が低いことを示しているのですから、競技でない中で短いパットを打たせるということは、その価値(実力)を認めていないよう映ってしまうのです。

反対にもうひとつ気をつけて欲しいのは、相手のプライドを考えずにOKパットを発することです。カスタマー・バリューを超えての長いOKパット発信は、適正ではなくなるので、それも大変、失礼に当たります。

その他のOKパットの設定手法

 ゴルフでは、不特定多数の方がゴルフ場に訪れる為か『プレーファースト』が求められます。2019年に大幅なゴルフルール改正がされたのですが、主にこのエッセンスが加えられています。

 OKパットによってプレースピードが早くなります。その分、後ろの組やゴルフ場に迷惑を掛けずに済みます。その事も念頭に置くと、OKパットの可能範囲は長くかもしれません。

 また、アマチュアゴルファーにとっては、スコアが良くなる可能性があります。すべてのパットを打っていくと、たぶん、1つか2つ外しているかもしれないということからの可能性です。

しかし、私は全然、それでスコアが良くなって問題ないと思っています。なぜなら、その事で気分を悪くされる方はほぼ皆無だからです。

 『あのときのOKパットは、外していたと思うから+2打にしておいて』なんて、言いますか?

ビジネスにおいての価格設定

 ゴルフでも示したとおり、価格設定によって相手の気持ちが変わるのです。

あなたは、自社とお客様更には競合先も見ながら、顧客が満足する価格を戦略的に設定します。

 その価格設定が思いのほか、想定より安かったのであれば、そのサービスや製品は、市場ではその価値でしかないと言うことです。

 もっと利益を出すために価格を高く設定したいのであれば、技術や品質などを磨いてください。

 そうすると、お客様も競合先も認める価格へ成長すると考えています。

ゴルフもビジネスもよりハッピーな人生に!

エグゼクティブMBAゴルファーの吉川拓哉でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。