既存会員のクチコミの力

既存会員のクチコミの力

すでにゴルフスクールを運営して一定の会員獲得に成功しているゴルフスクールには次のステップの「クチコミ」を利用していただきたいと思います。

クチコミと聞くと、

  • クレームが増えそうで怖い
  • 他社からの営業妨害が不安

などネガティブなイメージが先行してしまい、導入を躊躇ってしまう企業が多いのですが、実はメリットがたくさんあることも事実です。

1.サイトの自動更新

まずはじめに「クチコミを募集することで、放っておいてもサイトが更新されていく」ことを知ってください。

自社サイト然り集客サイトへの登録然り、定期的にサイトを動かす(更新していく)ことが必要であることはご理解いただけているかと思いますが、実際に定期的な更新ができているかといえば、そうではない…ということがほとんどです。

レッスンのほかに、店舗の清掃やイベントの企画、収支管理などスクールの運営について日常業務はとても多いためサイト運営に手間をかけられないのはどのスクールも同じです。

しかし、クチコミについては「会員さんに限定して投稿していただく」ことで、自動的に「サイトに新しい情報が投稿される」ことから、スタッフの手間をかけることなくサイトが更新されるのです。

大手検索サイト(GoogleやYahooなど)で上位表示される要因のひとつに「サイト内の情報が最新であること」があるのですが、何をもって「最新の情報か」の判断は「更新日が最近であるかどうか」と言われています。

「最近」の基準は公表されていないため曖昧ではありますが、1ヶ月程度であれば問題ないという説もあるため、月に1回の更新は心がけたいところ。

とはいえ、月1回のスクール内コンペが開催できていれば更新する内容もあるでしょうがそれですら難しい環境にあるのも事実。

更新する余裕があったとしても更新する内容が見つからない…というお悩みもありますよね。

そこで会員さんのクチコミが効果的となります。

お店のスタッフや経営者が「どんな内容を更新したら良いかな…」と悩んでいる間に、会員さんが月に一人「私はこのスクールについてこう感じています」という投稿をしてくれるだけで、そのサイトは検索エンジン的な「最新の情報が掲載されているサイト」に更新されるのですから、投稿しかない手はありません。

2.PV数のアップ

次に期待できるのが「SEO効果の向上」です。

SEOはサイトを上位表示させるために必須な対策ですが、専門家でなければ難しい対策であることも事実です。

「検索されそうなキーワードを盛り込むだけでしょ?」と認識している方も多く、それはもちろん間違いではないのですが、それだけでは足りないことが多いのです。

例えば「左利きの方でも満足できる打席があることをアピールしよう」と思った時に、ゴルフスクールを長いこと運営している人であればあるほど「レフティーあり」と記載したくなってしまうのです。

この場合、SEOにヒットするのは「ゴルフ レフティー」と検索した場合のみで「ゴルフ 左利き」と検索した場合には表示されなくなってしまいます。

ほかにも「オンコースレッスン」と掲載している場合「ゴルフ場でのレッスン」と検索された場合は表示されなかったり、細かくチェックしていたらキリがありません。

最近ではAI技術の発達により類似キーワードが表示されやすくなってきましたが、どこまで反映されるかは使ってみなければわからないため、可能な限りサイトの運営側で対応することが求められます。

そこで活躍するのが「ユーザーのクチコミ」なのです。

ユーザーはサイト運営者でもスクール運営者でもないため、思いもよらないキーワードを使ってくれます。

その「思いもよらないキーワード」がSEO対策につながるのです。

実際に、こんなお店に行ってみたいなーと思って漠然としたキーワードで検索をしたときにヒットするのはクチコミページであることが多いのではないでしょうか?

「海が見えるカフェ」と検索したときに過去に同じような目的で来店した方が「海が見えるカフェを探していた時に見つけたお店です」というクチコミをしていたら、必ずヒットします。

お店側が「海岸沿いのレストランです」と掲載していたら残念ながらヒットしません。

このように、一般ユーザー同士だからこそ通じ合うキーワードでサイトの情報が広がる可能性が期待できるのです。

先ほどの「オンコースレッスン」で例えるならば、実際のゴルフ場で行うレッスンの種類について理解しているゴルファーは多くなく「オンコースレッスン」と「ラウンドレッスン」の違いも曖昧であることが多いため「実際のコースで寄せの練習をしたかったからラウンドレッスンに申し込んだのに、丸一日会員とラウンドさせられた」なんて理不尽なクレームが来ることも。

これを回避するためには「実際のコースで細かい練習をしたい方はオンコースレッスンにお申し込みください。ラウンド中のマナーやルール、コースの攻略方法を知りたい方はラウンドレッスンがおすすめです」などの記載をしておけば良いのですが、考え始めたらキリがありません。

こんな時にクチコミで「先日受講したオンコースレッスンで、⚫⚫︎ゴルフコースに行ってバンカーの出し方を集中的に教えていただきました」と言った投稿があれば、一日コースをまわるラウンドとは別なんだな、と理解していただけるような情報提供が可能になりますよね。

「プロだからこそ気が付かないコトは、プロ以外にお任せする」という使い方ができるのがクチコミの利点でもあるのです。

3.営業効果

クチコミ効果はこれだけではありません。

スタッフの人柄のアピール」にも利用可能です。

最初に挙げたような「クレーム」「営業妨害」については、実際に避けることは難しいです。

しかし、短所は見方を変えると長所になるように、クレームもスタッフの対応によってポジティブ要素に見え方を変えることが可能です。

その方法は、大手ホテル予約サイトのクチコミ欄でよく見る「どんなクチコミにもお礼を含めた返信をする」だけです。

まずはクチコミを書いていただいたことについてお礼を伝える。

その上で、お客様がネガティブを感じていることについて事実と改善する気持ちを伝える。

これだけで、第三者が見たときに「誠意のある対応をしてくれるお店なんだな」という印象を与えることができます。

例えば「夜うるさくて眠れなかった」というクチコミについて「この度は安心してお眠りできなかったとのこと大変申し訳ございませんでした。当ホテルは駅や繁華街が近く、夜間でも外が賑わっていることが多い現状がございます。今後は各部屋に防音カーテンの導入等を検討しております。この度は貴重なご意見と当ホテルのご利用誠にありがとうございました。またのご利用をスタッフ一同お待ち申し上げております」という返信がついていたらどうでしょうか?

クレームについてもしっかり対応しててえらいなぁ…という印象に繋がりませんか?

さらに、駅とか夜営業してる店が近くにあるの便利そうだな…とか、自分はどこでも眠れるタイプだから別に夜うるさいかどうかはホテル選びするときに重要視してないしな…とか、別のポイントに視点が映りお客様にプラスの情報提供になる場合もあります。

ゴルフスクールに置き換えて考えてみると

「設置している測定器が古い」というネガティブ投稿については

「この度は当スクールのご利用をいただきましてありがとうございます。測定器についてご不便をおかけしまして申し訳ございません。当スクールはなるべく会員様の負担なくご利用いただけるような価格設定としている関係で最新の測定器を導入できないのが現状でございます。その代わり時間内は打ち放題となっておりますので、ご満足いただけるボールを打っていただき練習をお楽しみいただけますと幸いです。また、当スクールには測定器に引けを取らない知識やデータ分析ができるインストラクターが所属しておりますので、次回ご来店の際にはぜひインストラクターのアドバイスをご利用ください。次回のご来店をお待ちしております」

…なんて返信はいかがでしょうか?

設備などのハード面についてのネガティブコメントは「それを言われても仕方ないじゃん…」と思いがちなのですが、対策を取れない理由や代替え案を提示してあげることでプラスの印象に変えることができます。

また、こちらもホテルの時と同様に「必ずしもゴルフスクールを探している人は測定器をマスト条件にしていない」ことが予想されるため、「安く通えてボール打ち放題ならいいな!」と思っていただければ、体験レッスン・施設見学からそのまま即入会なんてことも可能です。

「レンタルクラブが古い」→練習の時は使い慣れたクラブで通うから問題ない

「土日の予約が取れない」→平日休みが多いから、土日の混雑は関係ない

など一般的にネガティブ要素と捉えられがちなポイントも、万人にネガティブになるかと言えばそうとは限らないため、クチコミの内容について心配することはありません。

何事も「誠意を持って対応すること」が大切なのです。

4.会員のニーズチェック

最後のポイントとしては「直接言えない(聞けない)会員の本音を聞き出すことができる」です。

顔を見て伝えられないことや、個人的に相談できないことも、匿名だから伝えられたりしますよね。

クレームもそうですが褒めることやありがとうを伝えることも少し気恥ずかしく、匿名だから素直に言えることがあります。

そのため、会員さんが今スクールに抱いている気持ちを知る方法としてクチコミが最適なのです。

既存会員に限っての投稿とすれば、そこまで極端なクレームが少ないのも特徴。

スクールを陥れようとしているような人がわざわざ月会費を払ってまでスクールには通わないでしょう。

どこかスクールに魅力を感じているからこそ、月会費を支払う行為を続けているわけですから、クチコミの内容にも安心して目を通すことができるかと思います。

逆に、そんな状況でもクレームがあるとすれば、深刻に悩んでいる・困っていることである可能性が高いのでしっかりと向き合って早期に解決できるように心がけて見て下さい。

まとめ

いかがでしたか?

クチコミって意外に悪くないかも…と思っていただけたら幸いです。

そうは言っても、運営側がクチコミを増やしたい!と思ったところで、協力してくれる人がいなければ実現しません。

2023年10月1日より景品表示法改正が実施され、ステルスマーケティング(ステマ)の規制が厳しくなりましたが、これからの投稿だけではなく過去の投稿まで遡ってステマと判断された記事・コメントについては罰則が適用されることになったため、スクール運営者が複数の会員を装ってそれっぽい投稿をすることは絶対にNG。

しっかりと会員さんに「本音のクチコミをしてください」と依頼をしましょう。

プレゼントを渡していなかったとしても「最高のスクールですって書いてね」のような内容に関わるような依頼の仕方をしてしまうとアウトなのでご注意ください!

法規制については判断が難しい場合も多いと思いますので、不安な方は一度専門家に相談してみてくださいね。

クチコミって結局何が良いの?

1.細かくサイトの更新をしなくても、クチコミが投稿されることでサイトが最新の状態に進化する=検索エンジンで上位表示される可能性がアップする

2.運営側が気づかなかったキーワードを使った投稿内容が期待できるため、SEO効果がアップする

3.投稿されたクチコミについて誠意ある返信をすることで、どんなネガティブなクチコミでも第三者にとっては「素敵なスタッフがいるお店」と認識してくれる可能性がアップする

4.既存会員の心の声を聞くことができるため、スクールの満足度アップに繋げる運営方法が見つかる 最近では「クチコミマーケティング」という言葉ができるほど注目されている分野ですので、ぜひクチコミを導入し、更なる魅力的なお店作りに励んでくださいね。