女性ゴルファーは全体の2割だと言われています。実際の練習場の来場データを見ても2~3割です。
よく言われることは、女性が来場すると男性も増えるという事実。実際、女性は男性と一緒に来場したり、女性が打席にいると華が出て雰囲気も明るくなるのを感じます。
では、女性顧客を増やす方法はどのように見つけていけばいいでしょうか。今回は女性が動きやすい平日昼間に女性顧客を増やす方法について考えていきます。
女性に愛される練習場を作るには?
平日昼の来場は、練習場にとって魔の時間。
シニア層は午前中、昼間はスクール生、夜は若年層の来場が大半になっている現在において、昼間の稼働を増やすには工夫がいる作業となります。
しかし、昼間に来れるゴルファーは時間や金銭面においてゆとりのある練習場にとって金の生る木の層です。
打席練習のみならず、レッスンや物販と言ったアップセルが望める顧客となります。理想の練習場として変革するためには、あなたの練習場を良いと思ってもらえる金の生る木の層を増やし、昼間の稼働を上げることを考えていきましょう。
「昼間の来場を2倍にしろ!」と言われたら
練習場オーナーから「昼間の稼働が悪すぎる!一般来場者数を2倍にしろ!」。なかなか厳しいミッション。
2倍にするためには、現状の把握とそれを2倍にするための根拠から戦略が必要になってきます。データ分析から昼間の顧客像を明らかにし、同様の顧客がどこにいるか、顧客への販促について考えていきます。
ステップ1 現状の把握
平日昼間に来場する顧客は金の生る木の層ですので、来場者数を増やすか、打球数を増やすかの2つの取り組みができます。現在の女性顧客の動向を来場者数・来場回数・平均打球数の基本データを抜き取っておきましょう。
ステップ2 仮説を設定
専業主婦と一概に述べましたが、具体的にはすでにお子さんは大きくなって手がかからない年頃になっています。
昼間の時間にゆとりができて、パートで自分に使えるお金も少しあります。
パート勤務でもお子さんが高校生ぐらいまでは塾や習いごとに時間を取られ、お金も取られてしまうために、ゴルフまで手が回りません。ゴルフをするきっかけは、お友達の誘いかご主人と一緒にラウンドとなります。
すでにお子さんが大きくなっているので地元のママ友人脈もあり、ゴルフの誘いもちらほら出てきます。スポーツをやっていたので体を動かすことにさほど苦はなく練習もラウンドも定期的に予定を入れていきます。
いかがでしょうか?
そのような女性のお客様、いらっしゃるのではないでしょうか。
では、この仮説が実際に当てはまっているのかをデータから抽出していきます。
ステップ3 データ抽出
顧客データから平日昼間の来場・女性・50代・60代を抽出します。
ステップ4 データ分析
顧客データから抽出された情報を基に顧客像の具体的なアクションを分析していきます。分析は、練習場に来る頻度・練習量・住まいです。
なぜアクションを分析するかというと、同様の顧客がどのくらいいるのか、その顧客をどのくらい増やすことができるかを施策として検討するために利用していきます。
顧客データから抽出されたデータに追加するもの
打球数 1回にかける打球数
来場数 1か月にご来場いただける回数
地域 住んでいる地域
顧客像が明らかになってきました。
例えば、女性顧客は現在500名が稼働していて、1回に150球、1か月に2回、住まいはAエリアが平均的なデータがあったとします。一人当たりの月売上を計算します。ここでは、ボール単価10円とします。
1か月に使用する費用 150球×2回×10円=3,000円/月
女性稼働顧客の月売上 3,000円×500名=150万円/月
平日昼間の女性来場者から月150万円の売り上げが見込めることになります。注意しなければいけいないのは、平均値での計算だということです。
顧客データから抽出されたデータを眺めながらあなたの練習場の属性を修正することをお勧めします。
**ステップ5 女性顧客の売上を2倍(月300万円)する
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抽出されたデータを基に施策を検討していきましょう。ここでは失敗しない施策作りの方法を用いて説明していきます。
**(1) インタビューで強みを見つける
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既に顧客像は見えていますので、具体的な顧客をリスト化し、インタビューします。インタビューのテーマは「自分のゴルフで取り組んでいること」です。
ゴルフでの悩み・痛み・苦しみ・楽しみといった、本人の価値観の中に入り入り込み、その女性がどんな理想を持っているかを把握し、練習場のサービスとして理想とあてはまっている部分を抽出していきます。
なぜ、そのようなインタビューをするかというと、既に顧客になっている女性が「いいね!」と思っているあなたの練習場の施設とサービスは、強みです。
強みが見つかればそこをセールス内容に盛り込み、欲しいお客様に関心を持ってもらうことができます。インタビューはお客様目線になりきってあなたの練習場の強み探しです。
あなたにとって、毎日見る同じ風景ですが、お客様から見たら、それがゴルフ人生を良きものにしてくれる大きな価値があるはずです。
**(2)販促商材を検討する
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インタビューした内容から、同じ価値観を持ち、まだ練習場のことを知らない女性のための販促商材を作っていきます。
あなたの練習場がなぜいいかを訴求する販促商材です。強みとなるものがもしかしたら、打席環境かもしれないし・フロントの接客かもしれないし・女性だけのコンペかもしれない。沢山あればより総合的に販促材料になるので、インタビューで聞いた小さなことを逃さないようにします。
出来上がたった販促商材を集客するために費用を使いますが、費用は限られています。ここでは、安ければいいという考えより、より効果が出る方法を意識してください。
よくある話として、新聞折込は読売の方が朝日より安いから。ネット広告もA社よりB社が安いから、といった具合に値段だけで判断することは効果が出るわけではないということです。
集客したい女性像に合った集客手段を選んでください。ここでもインタビューで聞くべき項目「どんな新聞雑誌を見てますか」「暇つぶしにネットって何を見てますか」が必要ですね。
その顧客に何を伝えたいかもインタビューで出ました。であれば、具体的な顧客にあてたレターと来場すると特典があるというメッセージをA4一枚で作成し配布すれば、より確かな集客になります。
**(3)集客対象とエリアを絞る
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集客対象は2種類あります。①流出顧客と②集客エリアです。
①流出顧客は、あなたの練習場に以前来場されたけれども数か月、もしくは数年ご来場がない顧客です。もしかしたら、ゴルフそのものをやめているかもしれませんし、競合店に乗り換えているかもしれません。どちらにせよ、インタビューで出た強みをもとに来場するとベネフィット(顧客の得)が出るというメッセージを郵送します。
②集客エリアは、データ分析から抽出された地域にポスティングする方法です。良いと思って来ていただけている女性顧客が住んでいて、そのエリアに集中しているのであれば、通いやすさと口コミ発生が通じやすい可能性があります。
このように、顧客を絞り込むと、より具体的で効率的な集客方法の施策が立てやすくなりますので、安ければいいという考えからより効果のある方法を選択していくことが可能になります。
(4)効果検証
配布してご来場された新規顧客が理想通り月3,000円(150球×月2回×10円)を利用したかを効果検証し他の集客方法はないかを再度検証していきます。
練習場は多くの来場者と売上を誇る店舗ビジネスではありますが、大きな口を開けて待っている時代は終わってしまいました。
まとめ
女性顧客を増やすのはすごく難しいです。難しいからこそ挑戦していきましょう。挑戦していくことで、練習場の強みが発見でき、次に改善すべきことが見えてきます。
今回伝えたいことは
既に満足している女性顧客と会話し、何を望んでいるのか?を深く聞き、提案していくことが最初の一歩ということ。
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株式会社ONE Story
代表取締役 山崎博之
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